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●コラム【とかちの窓から】 第33回
『食べ物、特にトランス脂肪酸について』
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| こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。 北海道にも遅い桜の季節がやってきました。近くの空き地にエゾ桜の樹があり、今年は連休開けに満開となりました。 4月末に黄色の花をいくつもつけていたタンポポは、気づいた時には綿毛を散らして、早くも来る夏に備えています。 暖冬といわれた今年。当地では4月中旬に15センチ程の降雪があり、春は遠いのかなと心配していました。 う〜ん、やっぱり春は良いですね! とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
これは私が皮膚科診療を17年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。 (バックナンバーは http://www.bihaku-labo.com/columnframe.htm をご覧下さい。) 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。 本題に入る前に、ジャン・フランソワ・ミレー(1814ー1875)の名画『落ち穂拾い』(1857年)オルセー美術館所蔵をご覧下さい。 ( http://www1.megaegg.ne.jp/~summy/gallery/glaneuses.html ) 今回は、『4決め!』の中の (3)規則正しい生活を送ることに決めました。 と関連して、『ニキビと食べ物』について考えたいと思います。 普段何気なく口にしている食べ物が、ニキビと大きく関係していることはないのでしょうか? 一般的には、ピーナッツやチョコレートを食べるとニキビが悪化しやすいといわれています。 しかし、最近の研究によると、あまり関係ないとされています。ニキビの悪化と食べ物について科学的に因果関係が証明されたものはありません。 但し、人によっては、明らかに悪化するという方もいらっしゃいます。この食べ物を食べるといつも悪化するという経験があれば、その食べ物は控えた方がよいと思われます。 ここまでは、一般的な回答です。 以下は、あくまで私が日頃の診療の中で気づいたことを交えた私見です。 最近、私が注目している物質があります。それは『トランス脂肪酸』です。 『トランス脂肪酸』は、マーガリンなどを製造する過程で発生する人工的なもので、自然界には存在しない構造をしています。そのため、体内では代謝されにくいものとなっています。 トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減少させるほか、心疾患のリスクを高めることが分かっています。 また、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを引き起こし易くしているとの報告もあるようです。 トランス脂肪酸が含まれる食品はマーガリン以外に、ショートニング(*)を使用する食品のほとんどに含まれ、揚げ菓子やケーキ、チョコレートなどにも含まれます。また、ファーストフードの揚げ油にも含まれています。 (*)パンや焼き菓子などにバターやラードの代用として利用される食用油脂 日本食品油脂検査協会によれば、「洋食のすべてに含まれると考えて良い」と考えられています。 最近患者さん以外で、身近な人からよく相談を受けたり、実は治療中ですといわれる病気があります。 皮膚科医という職業柄、アトピー性皮膚炎やニキビがまずあげられます。 それ以外では女性の場合では、全くの専門外ですが、子宮筋腫や子宮内膜症があげられます。 それらの人の食生活を注意深く見聞きする(会食などで同席する)と、本当に、上記の、トランス脂肪酸が含まれる食品を大好物として、永年に渡って食べているという共通点があることに気づきます。(タバコやお酒も若い頃から嗜んでいる場合も多いです。) また、レトルト食品やインスタント食品を多く食べているのも共通しています。(昼は必ずインスタントラーメンという人もいました。) 1)『私は、●●●のフライド●●●が大好物で、Lサイズをほとんど毎日ぺろっと食べてました。』 (女性;アトピー性皮膚炎が主。時々ニキビが出現する。) 2)『ケーキバイキングのことなら任せて下さい。4、5個は平気です。えー? 普段はお菓子はそんなに食べてませんよー。』 (女性:ニキビが良くならないと強く訴える。買物袋を抱えており、そこにお菓子が入っているのが確認できる。) 3)『独身なので、どうしてもコンビニ弁当が多いです。揚げ物は嫌いではないので、厚い衣も平気です。野菜?嫌いだし、野菜サラダは高いので食べません。』 (男性:ニキビが主だが、季節の変わり目にアトピー性皮膚炎が悪化。) 上記は、ニキビやアトピー性皮膚炎で、なかなか改善しない患者さんの声の一例です。 よくある話とはいえ、思い当たる読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか? 日本では、食生活が欧米化してきてはいますが、全摂取エネルギーに占めるトランス脂肪酸の割合が0.7%と少なく、この『トランス脂肪酸』は、大きな話題になっていないようです。 (全摂取エネルギーに占めるトランス脂肪酸の割合は1%未満が望ましいとされています。) (米国では、2.6%を占め、すべての食品において、含有量表示が義務付けられることになりました。) 上記の例は、極端な例で、私の主観が強すぎるのかもしれませんが、大人のニキビが、最近増えてきたことの原因の一つとして、食事を通して体内に過剰に摂取された『トランス脂肪酸』が悪影響を及ぼしている可能性もあると思います。 『トランス脂肪酸』の摂取を減らすため、『米ハーバード大学による男性の健康調査報告』の中で、以下が提案されています。参考のため列挙します。 ・揚げ物、フレンチフライポテト、クラッカー、脂肪分の多いスナック類は避ける。 ・市販のペストリー、クッキー、ケーキ、マフィン、パンの摂取量を減らす。 ・調理の際はマーガリン、固形の植物性ショートニング、バターの代わりにキャノーラ油またはオリーブ油を用いる。 ・食品の表示ラベルを注意深く読み、一部に硬化植物油を含む製品の摂取を減らす。 ・朝食のパンには何も塗らないか、蜂蜜またはジャムを塗り、夕食のパンにはオリーブ油を塗って食べる。 ニキビには、伝統的な和食が、やっぱり一番なのかもしれませんね。 今回のポイントは以下の通りです。
折に触れて、この『ニキビと食べ物』については考えていきたいと思っています。 次回は『ありがとう〜感謝することの重要性』について、お話させていただきます。 それでは。 おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム) (昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。平成14年とかち美白研究所開所。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士) |