----------------------------------------------------------------------
●コラム【とかちの窓から】 第37回
『デルデル呼吸〜私の経験から』
----------------------------------------------------------------------
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。 最近、音楽のCDをまとめて購入しました。昔の曲ばかり聞くのに飽きてきたこともありますが、いろんな仕事が一段落して、少し新しいものに挑戦(?)してみたくなったのです。 その中で、特に気に入ったのが、平井堅さんの、シングルコレクション『歌バカ』です。 ライナーノーツを読むと、長く低迷していた平井さんが、『楽園』という曲でR&B路線に変更してブレイクし、 ヒットを連発するまでの経緯が、非常に興味深く書かれていました。 ちょっと引用させていただきます。 『ディレクターに「これが最後のシングルになるからね」って言われて。 当時、女性R&Bブームが来ていて、次は男だって言われていても誰も来ない---「空席はここだ!」って。 僕もその頃R&Bをよく聴いていて、だからそのアイデアに快くのれたんです。この曲は、デモの段階からすごく好きでしたよ。』 平井さんの場合、アルバムに『歌バカ』というタイトルをつけてしまう程、音楽を愛する心がそれを後押ししたことは疑いありませんが、 『元々R&Bをよく聴いていたという素地があったからブレイクできた』 ということが、うかがえます。 大きな変化の前には、小さな変化の兆しがあるものですね。それに気づいた時には、変化を恐れず、未来を信じて進むことが大切なのですね。 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
これは私が皮膚科診療を17年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラム では、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。 (バックナンバーは http://www.bihaku-labo.com/columnframe.htm をご覧下さい。) 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。 本題に入る前に、ジャン・フランソワ・ミレー(1814ー1875)の名画『落ち穂拾い』(1857年)オルセー美術館所蔵をご覧下さい。 ( http://www1.megaegg.ne.jp/~summy/gallery/glaneuses.html ) 今回は、『4決め!』の中の(3)規則正しい生活を送ることに決めました。と関連して、「腹横筋」を使った便秘改善法として、第25回のコラムでも紹介させていただいた荒木隆次先生の『デルデル呼吸(深腹式呼吸)』について、再び取り上げさせていただきます。 最近、患者さんから『先生やせましたか?』といわれました。 『ええちょっと---。年相応に暴飲暴食はやめた成果でしょうか?』 とその場は取り繕いましたが、本当にやせました。 体重は15年程前、大学病院で勤務していた時のベスト体重に戻り、ウエストも細くなりベルトが緩くなってきました。 毎日、極秘でダイエットし、懸命にトレーニングした成果でしょうか? いいえ違います。一部食生活は変えましたが、運動嫌いの私が懸命にトレーニングするはずがありません。 一つ考えられることは、お通じがより快適になったことです。 その立役者の一つが、『デルデル呼吸(深腹式呼吸)』です。 『デルデル呼吸(深腹式呼吸)』について、復習してみましょう。 (参考文献 『安心 2006年8月号』魔法のおなかペタンコダイエット マキノ出版) 1.『デルデル呼吸』とは? 『デルデル呼吸』は、腹式呼吸で息を吐き、更にもう一息深く吐くという呼吸法です。 腹式呼吸とは、横隔膜(胸部と腹部を隔てている筋膜)を上下に動かしながら行う呼吸法です。息を吸う時は横隔膜が下がり、吐く時は横隔膜が上がります。それによりお腹がふくらんだりへこんだりするのです。 『デルデル呼吸』は、この腹式呼吸よりさらに深く、ゆっくり長めに吐くことで、「腹横筋」を収縮させます。 「腹横筋」はお腹の一番深いところにある筋肉で、腹膜と筋膜の外から大腸などの内臓を帯のようにグルリと包んでいます。 この腹横筋の収縮によって大腸が刺激され、排便が促される訳です。 2.『デルデル呼吸』の実際 (1)お腹をふくらませながら鼻で息を吸う(2秒)→横隔膜が下がる (2)フーッと軽く息を吐いて(1秒)お腹を戻す→横隔膜が元に戻る (3)更に深くフーーッとゆっくり息を吐いて(3?4秒)お腹をしぼる→腹横筋がしぼみ、横隔膜が更に上がる この時、 (*)吐くのは鼻でも口でもよく、(**)力を抜いてゆっくりとらくに行うことが重要です。 この呼吸では、めいっぱい息を吸う必要はなく、吐くほうを長くするのがポイントです。吸ったら自然にお腹がふくらみ、吐いたら自然にお腹がしぼむ。その感覚を味わいながら、長く息を吐いて下さい。 『デルデル呼吸』ができるようになったら、排便時にこの呼吸をしながら息んでみましょう。何回も繰り返すうちに、自然に便意をもよおしてくるはずです。 実践者として、私が気をつけていることは、頭の中で、 『腹横筋の腹巻きが、全体にキューッとしぼんでいく様子を強くイメージする』ことです。 現在、私はお通じの改善目的でしか、この呼吸法を実践していませんが、実際に、体重減・ウエスト減の効果が得られたことから、この呼吸法には様々な効果が期待できるのではないかと思います。 最近、荒木先生は、新著 『やせる!デルデル呼吸ダイエット らくらく呼吸で便が出る! おなかがへこむ!』 定価: 1260円(本体1200円) マキノ出版 (http://www.makino-g.jp/bookdetail/isbn/978-4-8376-7078-0/) を発売されました。 その中では以下の症状に効果的であると書かれています。 1)便秘改善 2)ダイエット 3)腰痛・ギックリ腰 4)肩こり・首こり 5)ガス腹 6)冷え症 7)不眠症・自律神経失調症 また、読者の皆さんが最も気にされている、ニキビ患者さんの例も出ていました。要約すると イ)34歳 看護関係 女性 ロ)二十歳の頃より、便秘気味で、お通じは4〜5日なくて当たり前 ハ)3ミリ大までのニキビが、ほおやあご、鼻の下などに次々に出現し、顔に常にできている状態 ニ)荒木先生よりデルデル呼吸を伝授され、1週間足らずで、便秘解消 ホ)その後、次々と顔に出ていたニキビもほとんど出なくなった ヘ)3ヶ月後、4キロやせてウエストも4センチ減 これは、先生の病院に勤務されている方の実例でもあり、文章がご本人の言葉で書かれており、非常に信憑性がありました。 私は、これからは、トイレタイムだけでなく、就寝前や起床時、入浴時、家でくつろいでいる時、仕事中など、こまめに行ってみようかなと思っています。 普段の呼吸がデルデル呼吸に替わったとき、体調も更によくなっているのではないかと期待しています。 お金も器具もいらないこの方法は本当にお勧めです。 今回のポイントは以下の通りです。
かなり涼しくなってきましたね。早いもので今年もあと3ヶ月あまり。便秘を解消して、体調を整え、すっきりとした気持ちで計画を立て、前に進みたいですね。 次回は、『トランス脂肪酸』について、再びお話させていただきます。 それでは。 おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム) (昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。平成14年とかち美白研究所開所。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士) |