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●コラム【とかちの窓から】 第45回
『ニキビと玄米食について(2)』
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| こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。 先日、講演会で札幌に行ってきました。所用を済ませた後、夕方の帰りの列車の時間まで少し間があったので、ちょっと贅沢してタクシーを飛ばし、大学入学後、最初にお世話になった下宿を訪れてみました。 24年振りで訪れた下宿は、名前は変わっていましたが、建物はそのままでした。私は外から少し眺めるだけでしたが、新しく住人となった学生さんが、丁度、ご両親に手を振って別れる所でした。 私は自分の昔を思い出し、思わず感慨に耽ってしまいました。 帰り道タクシーの運転手さん(50代後半?の女性)(以下 タ )と少し話をしました。 (タ)『お客さん、前ここに住んでたの?』 (私)『24年前に住んでましたよ。ちょっとの間ですけど。』 (タ)『ここに家族で?幼稚園位の頃のこと?』 (私)『まさか。大学に入学してすぐだから18歳ですよ。下宿だから一人暮らしですよ。』 (タ)『えっ!お客さん20代でしょ。計算が合わないじゃないの!』 (私)『私は42歳ですけど。』 (タ)『本当?私はこの商売長いし、年齢はどんなに化粧をしていてもわかっちゃうんだから。』 (私)『よく年齢不詳と言われますけど。将来は、女優の森○子さんみたいに80歳になっても若々しくしていたいと思っていますよ。』 (タ)『お客さん何いってんの! 森○子なんて、コ○ーゲン○●してるけど、近くでみたらシワだらけじゃないの!あれは年相応だよ!』 (私)『えっそうなんですか?目標を変えないとだめですかね?』 最近では、映画や雑誌、テレビを幅広くチェックしています。この運転手さんにツッコミをいれられないような、新たな目標となる人を探しています。 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
これは私が皮膚科診療を18年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。 (バックナンバーは http://www.bihaku-labo.com/columnframe.htm をご覧下さい。) 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。 本題に入る前に、ジャン・フランソワ・ミレー(1814ー1875)の名画『落ち穂拾い』(1857年)オルセー美術館所蔵をご覧下さい。 ( http://www1.megaegg.ne.jp/~summy/gallery/glaneuses.html ) 前回、私の『年齢不詳化計画』について少し触れました。前出の運転手さんとの会話は、その1つのエピソードです。 私は、実年齢より必ず若く見られます。 昔から若くみられるのは大変いやでした。医師という職業上、患者さんに説得力がないと思っていましたし、先輩にも時々、『ヒゲ生やしてみたら?』と言われていました。 でも、40歳を超えた今では、皮膚科や美容の仕事を行う上では、ちょっと得をした感じです。説得力が逆に出てきました。 前回からお話させていただいている、『玄米食』とくに『発芽玄米』は、私の『年齢不詳化計画』に大きく貢献しているものの1つです。 『年齢不詳化計画』は、思わぬ所で目標(森○子さん)を失いましたが、具体的なことは次回以降で少しずつご説明いたします。 さて、本題の『ニキビと玄米食』についてのお話をさせていただきます。 最近読んだ論文の中で、興味深いものがありました。 ( http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/86/1/107/ を参照して下さい) 『A low-glycemic-load diet improves symptoms in acne vulgaris patients: a randomized controlled trial』 (American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 86, No. 1, 107-115, July 2007) 簡潔に意訳すると、『血糖値の上がりにくい食事はニキビを改善する』というものです。 これはオーストラリアのロイヤル子ども病院の研究チームの調査で明らかになりました。 グリセミック・ロード(血糖負荷)を、低インスリンダイエットで話題となったGI(グリセミック・インデックス)値(#)とほぼ同じとみなすと、簡単に『低GI値食品はニキビを改善する』とも言い換えることができます。 (#)GI値の考え方は、糖尿病治療において、『一日の血糖変動ができるだけ緩慢で、また食後の高血糖を抑えた方が、合併症を抑えられる』という研究から生まれました。 高い血糖負荷の食品 -- 白米や白パンやじゃがいもなどは、食後に血糖値の急速な上昇引き起こす傾向があります。これらの食品は、高GI 値食品です。 逆に、玄米や全粒パン、オールブランのフレーク、豆類のような食物繊維を多く含む炭水化物は、血糖値の上昇がゆるやかで、低 GI 値食品です。 以下で、研究の詳細について見てみましょう。 (研究の結論) 結論からいうと、ニキビには、玄米のような血糖値が上昇し難い炭水化物(低GI値食品)を食べることが有効なようです。 このタイプの食事は、インスリン感受性を増加させるだけではなく、ニキビを改善するようです。体重も減少しました。 (研究に至る経緯) 研究者によると、現在のところニキビの原因は明らかでありませんが、最近の疫学研究では、血糖負荷などの食事の要素が、ニキビの発生に関与することが示唆されています。 研究者は、食事の改善が、この一般的な皮膚病である、ニキビに有効かもしれないと考え、調査を行ったそうです。 (研究の方法) 15歳から25歳の 43 人の、ニキビに悩む男性患者を対象に行われました。男性は、無作為に 2 つのグループに分かれて、低い血糖負荷の食事か、通常の食事を 12 週間続けてもらいました。 低い血糖負荷の食事は、カロリーの 25 パーセントをタンパク質から、45 パーセントを低GI値の炭水化物から摂りました。 月に 1 回の診察を行い、ニキビの状態を評価しました。 (研究の結果) 1.ニキビの数について 12週間後、低GI値の食事をした男性は、ニキビの総数が平均で23.5減少しました。 通常の食事をしたグループは平均で12減少しただけでした。 2.体重の減少について 低GI値の食事をしたグループは体重が2.9キログラム減少して、肥満の程度を示す体格指数 ( BMI 値 ) が0.92 低下しました。 通常の食事をしたグループは、どちらもほとんど変化がみられませんでした。 3.インスリンの感受性(##)について 低GI値の食事をしたグループは、血液中の糖のレベルを制御をするホルモンである、インスリンの感受性が大きく増加しました。 (##) インスリン感受性が低下した、インスリン抵抗がおきると、身体の細胞がインスリンへの反応が鈍くなって、通常のインスリン量では身体が十分に応答しなくなります。結果として、より多くの量のインスリンが必要になります。糖尿病の発症に通じます。 (総括) 今回の結果は、食事と栄養に関連したライフスタイルが、ニキビの発生に関与することを示唆していると研究者は述べています。 しかし、体重の減少と、食事の改善の独立した影響を抽出して、さらにニキビの基本的な病態生理的メカニズムを解明することが必要だと述べています。 今回の研究は、大人のニキビを扱う立場としては、研究の対象が男性のみに限られ、年齢も25歳までと比較的若い患者さんのみであることが問題ですが、ニキビに対して食事の関与がはっきり示されたのは画期的だと思います。 私は、以前からニキビ対策の一つとして、食事の重要性を指摘してきましたが、科学的な結果を得られて、大変勇気づけられました。 ニキビをよくするために、科学的に裏付けのある食事をすることは、大変重要なことだと思います。 そこを疎かにして、薬や特殊な器械を用いた治療、化粧品のみに頼ることは本末転倒といっても過言ではありません。 発芽玄米の話に戻ります。 私が実行している方法は簡単です。普通の白米と大差ありません。 1)スーパーで売っているパック詰の1キログラム800円程の発芽玄米を購入する。 2)必要量を取り出し、お米をとぎます。 3)2万円程の近くの電気店で買った炊飯器(発芽玄米モード付き)に発芽玄米を入れてスイッチオン。(お水は少し多めに入れます。) (普通の炊飯器でも発芽玄米は炊けます。) 4)1時間程で炊きあがります。時間が経つとおいしくなくなるので1時間以内にいただきます。 発芽玄米は朝しか食べませんが、これで十分です。 私の場合は、前出の論文のように、2,3ヶ月で体重が減りだしました。肌の感じがすべすべしてきたと感じられるようになったのも、確かその頃です。 効果等には個人差もあると思いますが、何も難しいことはありませんよ。 次回は、今回の論文でも取り上げられていた、低GI値食品について考えたいと思います。 今回のポイントは以下の通りです。
大型連休も終わり、仕事や勉強に集中できる季節ですね。5月病を吹き飛ばすためには、新緑の中での散歩も良いですね。それでは。 おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム) (昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。平成14年とかち美白研究所開所。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士) |